言葉はブーメラン

ここ数年、疑問に思うことがある。 「辛いことや大変なことは外に表現した方が良いのか?」 私は今まで、仕事でどんなに厳しい状況に陥っても、「辛い」とか「大変」とか「忙しい」とか言わない。 だって弱音を吐いたところでどーなるものでもないし、そんな時間やエネルギーがあるなら、さっさと終わらしてしまった方が良いと思うから。 けれど悲しい現実は大変なところを見せないと、上司からの評価は少ない・・・「こんなにがんばってます!」とアピールしないと、逆に遊んでいると思われる・・・ 日本にいる時はものすごくラッキーで、いつもそれを見抜く上司の下で働いていてとってもハッピーだったけれど、アメリカに来てからはさらにストレートにアピールしないとわかってもらえていない。 これは仕事に限らず、私生活でもそう。 海外で結婚もせず暮らしていると、障害や壁に常にぶつかり、普通に生活を続けることは正直かなり厳しく、生き延びていくには相当なチャレンジ続き。 知識、能力、技術、ネットワーク、そして運がなければならない。 それらがあったって、やりたくない仕事も引き受けなければならないだけでなく、自国では考えられない、ありえないぐらい不利な条件で働かされたりもする。 そんな嫌な経験は、口に出さない。 そんななか、 「毎日何してるの?」とか、「いつも気楽そうでいいねえ・・・」 なんて言われ、昔は傷ついたり、悲しくなったり、家で大泣きしたこともある。 でも今では、「いいでしょう!」「羨ましいでしょう!」と自信を持って言えるようになった。 ここ最近学んだことは、 状況を解らない人に解ってもらおうなんて、人の心はコントロールできないし、 どんなに過去のことを悔やんでも、どんなに将来のことを心配しても、 何にもならんということに気付いたから。 昔、ものすごく落ち込んで大泣きしたある日、ブラジル人のおっさんに言われた言葉がある。 「The word is like a boomerang. When you throw it, it comes back to you.」 (言葉はブーメランみたいなもの。投げたらそのまま返ってくる。) 日本語でいう「言霊」みたいな意。 いいことを言っていれば、いいことが返ってくる。だから弱音は吐かない。 それでも辛い時はというと、小さい頃からよく母親に言われていたことを思い出して乗り切る。 「心頭を滅却すれば火もまた涼し」 どんな苦痛であっても、心の持ち方次第でしのげるという教え。 幸せも辛さも自分の限界も、自分の心が決めているから、脳みその流れを変えればいい。 こうして常にポジティブに行動することにしたものの、弱音を吐いたほうが楽に生きていけるのかな?と思わされる状況によく遭遇する。 どっちがいいのかなぁ??? そんな時は高台に登って深呼吸する。 大地と比べるとものすごい小さな私。 まっ、どっちでもいいか・・・